玄米を主食とした食事介入で血管内皮機能が有意に改善

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2型糖尿病患者が玄米を2カ月間摂取することで、食物繊維摂取量が増加したほか、血管内皮機能が有意に改善したことが報告された。滋賀医科大学の近藤慶子氏が日本糖尿病学会(5月22~24日、大阪開催)で発表した。

 これまでに、血管内皮機能の低下は心血管イベントの独立した危険因子であることや、食物繊維摂取量が多いほど心血管疾患死リスクが低いことが報告されている。

 近藤氏は、玄米の食物線維含有量は精製米の5倍ほど高いことに着目。2型糖尿病患者を対象に、主食を玄米とした食事が血管内皮機能に及ぼす影響について検討した。さらに、近年の報告で腸内細菌によりTreg細胞が増加し腸炎や下痢を有意にに抑制することや、腸内細菌の代謝産物が人の心血管疾患リスクの増加に関連することが示されていることから、全例で糞便を用いた腸内細菌叢の変化を検討した。

 対象は、40歳以上80歳未満、HbA1c値8.0%未満、インスリン未使用、αーGI未服薬、非喫煙者、外来通院中の2型糖尿病患者23人。玄米食群(12人)と白米食群(11人)に無作為に割りつけ効果を検討した。4~8週間のエネルギー調整期間の後に、宅配で玄米もしくは白米(それぞれ250kcal)を1日2回、週5日間提供し、主食と置き換える食事介入を実施。食事介入前後に食事負荷試験と血管機能検査を行った。血管機能検査では、前腕部をカフで5分間駆血・解除し、最大血流増加率、血管拡張持続時間などを測定した。

 患者背景は年齢(玄米食群64歳、白米食群68歳)、BMI(23.7kg/m2、24.2kg/m2)、血圧(70.4/119.5mmHg、69.3/123.7mmHg)、空腹時血糖値(124.1mg/dL、126.8mg/ dL)、HbA1c値(6.8%、6.9%)に両群の有意差はなかったが、HDL-コレステロールが玄米群において高かった(63.9mg/dL、51.3mg/dL)

 2カ月の食事介入の結果、両群ともに体重に有意な減少は見られなかったが、HbA1c値は有意に改善した。白米食群は試験前6.9%から介入後6.7%へ、玄米群はそれぞれ6.8%から6.5%へ有意に低下した(いずれもP<0.05)。

 また、両群ともに1日のエネルギー摂取量のほか、たんぱく質割合、脂質割合、炭水化物割合のいずれもが試験前と比べて有意な変化はなかった。

 しかし、玄米食群では1日の総食物繊維量(試験前14.2g、介入期間中20.1g)、不溶性食物繊維(10.2g/日、14.6g/日)、水溶性食物繊維(3.1g/日、4.8g/日)のいずれも試験前より有意に増加したことが確認された(P<0.0001)。一方、白米食群は、水溶性食物繊維のみが試験前と比べて有意に減少したほか(3.7g/日、3.3g/日、P<0.05)、総食物線維、不溶性食物繊維は減少傾向だった。

 2カ月の食事介入後の血管内皮機能指標は、空腹時、食後どちらにおいても白米群では有意な変化を認めなかったが、玄米食群では空腹時、食後どちらにおいても有意に改善した。

 さらに、玄米食群においてのみ食事介入後の腸内細菌叢の変化が見られ、ビフィドバクテリウムが有意に増加し、バクテロイドは有意に減少した。

 これらの結果から近藤氏は、「玄米を主食とした食事介入により、食物繊維摂取量は増加したほか、血管内皮機能は空腹時および食後で有意に改善した。2型糖尿病患者において玄米を用いた高線維食は血管内皮機能を改善する」と結論づけた。

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